VISA(ビザ・査証)と在留資格、パスポートの違いって?

外国人の採用を考えている経営者の方から時々、「VISAと在留資格、パスポートの違いは何ですか?」という質問をいただきます。この3つは似たように思えますが、実はそれぞれ異なる役割を持つ重要な書類やステータスです。本記事では、その違いについてわかりやすく解説します。

先ずは違いを簡単に整理

項目VISA(ビザ・査証)在留資格パスポート
役割入国のための許可証滞在中の活動内容を定めるもの国籍を証明する身分証明書
発行元渡航先の大使館または領事館日本政府(出入国在留管理庁)自国の政府
必要な場面入国前に必要滞在中に必要海外旅行全般、ビザ申請などに必要
期限通常数か月更新が必要(数年ごと)5年または10年(国による)

VISA(ビザ・査証)とは?

VISAは、外国人が他国に入国する前に、その国の大使館や領事館から発行される「入国許可証」のようなものです。

主なポイント:

  • 発行元:入国を希望する国の大使館または領事館
  • 役割:渡航先の国に入国するための「許可証」
  • 種類:例)観光ビザ、就労ビザ、学生ビザなど
  • 期限:多くの場合、一定の期間内にその国に入国することが求められます

注意点:

VISAを持っていても、その国への入国が必ず許可されるわけではありません。入国審査で最終判断が行われます。

在留資格とは?

一方、在留資格は、外国人が日本に滞在する間の活動内容を定めたものです。日本に入国した後に、どのような目的でどのくらいの期間滞在できるかを規定します。

主なポイント:

  • 発行元:日本政府(出入国在留管理庁)
  • 役割:滞在中に行える活動を明確にする
  • 種類:例)技術・人文知識・国際業務、永住者、配偶者等、留学など
  • 期限:在留資格にはそれぞれ更新期限があります

在留資格の特徴:

  • 在留資格を持つことで、日本国内で働いたり学んだりすることが可能になります。
  • ビザと異なり、日本国内での活動を具体的に制限します。

パスポートとは?

パスポートは、個人が自国の国籍を証明するための身分証明書です。外国に渡航する際に必ず必要となります。

主なポイント:

  • 発行元:自国の政府
  • 役割:身分証明書および帰国のための証明書
  • 有効期限:通常5年または10年(国による)
  • 使用用途:ビザの申請時や、飛行機への搭乗手続き時にも必要です

注意点:

パスポートの有効期限が切れると、海外旅行やビザの申請ができなくなるため、更新手続きを忘れないようにしましょう。

よくある質問

Q1. 日本国内でVISAの申請はできますか?

いいえ、日本国内ではVISAの申請はできません。VISAは日本国外の大使館や領事館でのみ発行されます。ただし、日本国内では在留資格の変更や更新が可能です。

Q2. VISAが切れるとどうなりますか?

日本に入国する前であれば、再度VISAを取得しなければなりません。ただし、入国後は在留資格が重要となるため、在留資格の期限切れに注意が必要です。

Q3. VISAなしで日本に入国できる場合がありますか?

はい。短期滞在目的(観光など)の場合、VISA免除国から来た外国人は、VISAなしで日本に入国できます。ただし、在留資格は別途審査されます。

まとめ

VISA、在留資格、パスポートは、それぞれ異なる役割を果たす重要な書類です。

  • VISAは「入国前の許可証」
  • 在留資格は「日本国内での活動内容を定めるもの」
  • パスポートは「国籍を証明する身分証明書」

これらの違いを理解しておくことで、手続きがスムーズになります。外国人の採用を検討している場合や、国際業務に関する手続きについて不安や疑問があれば、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。