レストランや居酒屋、ラーメン店、カフェなどの飲食店を開業するためには「飲食店営業許可」が必要です。この許可を取得するための流れについて、具体的な手続きをご紹介します。
事前準備と計画の確認
飲食店を開業する際、まずは事前の計画と準備が欠かせません。営業許可を取得するには、店内設備や立地、衛生面で保健所の基準を満たす必要があるため、事前に以下のポイントを確認しましょう。
- 店舗の設備計画:調理場、手洗い場、冷蔵庫、トイレなどの設備が保健所の基準を満たしているか確認します。
- 立地条件の確認:立地が保健所の許可条件を満たしているか、また周辺環境や法律(例えば、風俗営業等の規制を受けるエリア)も考慮します。
- 事業計画書の作成:事業計画書を作成することで、資金計画や収支見通しを明確にしておくと良いでしょう。
保健所への事前相談
次に、保健所での事前相談を行います。保健所の担当者に店舗の設計や計画を見てもらい、問題点がないかアドバイスをもらうことで、許可申請のスムーズな進行に役立ちます。多くの場合、事前相談の予約が必要なため、事前に地域の保健所に問い合わせましょう。
必要書類の準備
飲食店営業許可を取得するには、以下の書類が必要です。
- 飲食店営業許可申請書:各自治体の保健所で用意されています。
- 店舗の平面図:調理場や客席の配置、手洗い場の位置などを示した図面が必要です。
- 食品衛生責任者の資格証明書:食品衛生責任者講習を受講して取得します。店舗ごとに責任者が必要となります。
- 水質検査成績書:井戸水を使用する場合、水質検査の成績書が必要です。
申請と現地検査の手続き
必要書類を揃えたら、保健所に申請を行います。申請後、保健所の担当者が店舗を訪問し、施設の状況や衛生面の基準を満たしているかどうかの検査を行います。検査項目としては、次のようなポイントが含まれます。
- 清潔さと衛生設備の充実:調理場の清潔さや、洗浄施設、手洗い場の設置状況がチェックされます。
- 換気や照明の状況:調理場や客席が適切に換気されているか、照明が十分かが確認されます。
- 害虫・ネズミ対策:店舗の防虫・防鼠対策が行われているかも検査の対象です。
現地検査に合格すれば、許可証が発行されます。この許可証は店舗に掲示する必要があるので、受け取ったら必ず店内に見える位置に設置しましょう。
許可取得後の注意点
許可を取得して営業を始めた後も、以下の点には注意が必要です。
- 食品衛生責任者の設置:営業中も常に食品衛生責任者が必要です。新たにスタッフが増える場合は、講習を受けて資格を取得するようにしましょう。
- 定期的な衛生管理:日々の衛生管理はもちろん、定期的なチェックや清掃、害虫駆除を行い、衛生基準を維持しましょう。
- 定期点検と更新:許可には更新が必要な場合があります。保健所からの指示を確認し、期限が近づいたら手続きを行いましょう。
まとめ
飲食店営業許可の取得は、計画的に準備を進め、保健所の基準を満たす設備や書類を整えることが成功の鍵です。準備を怠らず、確実にステップを踏むことでスムーズな許可取得が実現します。初めての方は、書類の作成や手続きのスケジュール調整など、専門家のサポートを受けることで、時間や手間を大幅に削減できます。当事務所では。長年サービス業に携わってきた元ホテルマンの行政書士が親身になって開業のお手伝いをさせていただきます。